日本の貧困化をグラフから探ってみた(進学率やら離婚やら)

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最近、会社で採用の面接官をやることが増えてきました。

職種にも左右される部分ではありますが、中途・新卒採用の面接官としてここ1年ほどで数百名の方とお会いしていくなかで、こんなことを感じます。

 

  1. 主婦の応募が増えていること
  2. 離婚した家庭で育てられた方が多いこと
  3. 金銭面でどうしても大学には奨学金で行っている方が多いこと

 

もしや、日本は貧乏なのではないか?とふと、感じました。

そこで統計上のデータと突き合わせてみたくなりました。

いままで思っていた日本のイメージと、日々感じている部分にとてもギャップがあり、数字上における日本の昔と、今をちょっと比べてみたいと思います。

目次

共働き世帯と専業主婦世帯

昔は母親が専業主婦だった家庭というのは、とても多かったことがわかります。

バブル期を過ぎたあたりから逆転し、共働き世帯が一気に増えていきます。直近の数字では共働きが1,100万件弱、専業主婦が720万世帯となっています。賃金がなかなか上がらない中、なんとかダブルインカムで世帯収入をあげようと努力されている家庭が多くなってきていることが数字にも現れています。

 

専業主婦が未だに720万世帯あることはちょっと驚きましたが、女性の活躍が期待される昨今の世の中においてはさらに減少が予測されます。

ダイバーシティだなんだと言われながら多くの主婦たちが社会進出をすることで、労働力の強化には繋がるのでしょうが、一方で共働き世帯における夫の仕事内容については、女性に負けない(主婦に負けない)だけのクオリティが今まで以上に求められることから、夫側の収入を上げていくハードルは徐々に高くなっていくのではないかと予測します。

 

実際にうちの会社でも新卒・中途採用ともに難航しているために、これまでの仕事を見直し、正社員が抱えていた仕事の一部を切り分けた上で、主婦層を積極的に活用する方向になりました。これにより、主婦層が担う仕事以上のクオリティを既存の社員には求めていて、悲しいかな相対的な評価が下がる社員も出てきています。

事務経験が豊富な人材は30代~40代に多く、即戦力となるし、アポインターとして活躍する方も豊富な人生経験を活かして濃いトークができるので強力な存在ではありますが、なんとか既存の社員には頑張って欲しいところです。

 

 

離婚件数

ここでついでに離婚件数も見てみようと思います。

自分の周りでも離婚は実際にたくさん起こっていて、数字でも増えていっているのかと思っていましたが、離婚は2002年頃をピークに微減傾向にあるようです。

直近では22万件ちょっと、これが多いのか少ないのかは別として、後述の進学にあたっての奨学金問題や待機児童問題にも絡んでいそうです。

 

待機児童問題

待機児童については、少子化が叫ばれる中なので、一見すると保育所は余裕が出てきそうなものですが、上述の女性の社会進出と、ポイント制によるシングルマザーへの優遇策なども相まって子供を外へ預けざるを得ない家庭が非常に多いのであろうと思います。

認可保育所の待機児童率で表すと沖縄県が1位、東京都が2位となっています。

待機児童数自体は1位が東京都、2位が神奈川県と都市部で働きたいのに預けられないという傾向が見て取れます。

進学率

近年では高校卒業をしている方がほとんど、98.5%に及びます。

大学卒業となると56.5%とおよそ2人に1人以上が大学を出ています

1970年以前は4人に1人という状況だったので、大学に行くという選択肢はとても贅沢なものから身近なものに変化したように見えます。

 

このことから大学に進学することの意味が変わってきており、昔は大学へ行くイコール優秀かつ希少価値が高く、その後のキャリアもある程度保証される存在だったところから、近年では大学は行かなければならない場所となってきており、質の低下も実際に起こっていると肌身で感じます。

 

背景には大学側も競争に晒されることで入学者数を競い、大学進学の門戸が増えていること(低レベルな学生でも入学できてしまうこと)や、企業サイドの姿勢としても育成をする余裕の無さや、低レベルとはわかっているとは言え、組織のクオリティ維持向上のため、ある程度のレベルの人材を求めて採用に臨んでいるといったことが挙げられると思います。

 

さらに別の背景としては日本における第一次産業の縮小などにより高卒での就職機会が減っていることや、少子化により内需の拡大が見込みにくく、また、日本が世界の中で競争する立場に置かれることにより、今まで以上に高度な教育を経て組織をレベルアップさせていく必要に迫られていることなどに起因しているものと考えます。

 

奨学金

奨学金の受給者数については2014年が約141万人、1998年が約50万人と3倍弱に増加しており、かつ、そのうち100万人弱が有利子での奨学金(という名の学生ローン)を利用している状況。

4年間利用した場合に500万円程度まで借り入れできる様子ですが、ここに金利負担が追加となるので卒業した瞬間に高級車を1台分ほどの借金を負った状態からのスタートとなります。

 

草食系が増えているなんて言われて久しいですが、そりゃあこんなに借金抱えたら夢も何もなくて現実的になり、やる気はなくしますね。

このあたりにも原因の一端があるように感じます。

 

まとめ

悲しいことに、どうやら思っているよりも日本は貧困が進んでいっていると感じます。

これが合っているかどうかはわかりませんが、少なくともデータはそのように見え、肌感覚でもやはりそうです。

 

この状態から抜け出すにはザクっと言って2択なのではないかと感じています。

核家族化がすすみ都市部に人口が集中している状態から、その逆の状態を作ることで(お金は無くても)地方都市で豊かな質の暮らしができるようにしていくか、もう一方は、現在の状況をさらにすすめて世界を相手に相対的に価値が高い国にしていき、外国からのお金で国を潤わすことによって経済的に豊かになるか、です。

 

ただ、後者の場合は今までの自動車や白物家電のようにはいかず、ものづくりがグローバル化されており、なかなか日本に利益や雇用を生み出しにくくなっていることや、IT技術の陳腐化のスピードが速いことでものづくり以外のサービス創出も難易度が高いことなどを考えると、にわかに騒がれ始めたインバウンド需要に頼って観光資源をフル活用していくぐらいしか方策はないのではないかと考えてしまいます。

 

この数十年、世界2位の経済大国の座を中国に譲り大きな変化(下降)を迫られてきた日本ですが、憲法改正の議論や、不穏な動きを見せる中国やロシアの軍事的な動きの変化にも注視していかねばならず、経済的な豊かさを求めすぎて、追いつめられて戦争へ向かっていった以前の日本のようにはならないことを願うばかりです。まだ戦後70年しか経っていませんしね。

 

金は無くとも健康で平和が一番です。

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